「なぁ。」
夫が言った。
「ん?」
「昨日の話やけど。」
「うん。」
「FIREしたあと、年間いくら必要か考えるなら……」
夫がスマホを見せてきた。
「まず、今のお金が何に消えてるか、全部出してみよ。」
「……全部?」
「全部。」
嫌な予感がした。
今まで、
「毎月40万円くらい使ってる」
とは思っていた。
でも、
その40万円が何に使われているのか。
実は、ちゃんと考えたことがない。
「まず家に入れてるお金。」
「うん。」
「食費。」
「うん。」
「光熱費とか、家関係。」
「うん。」
「旅行。」
「うん。」
「車。」
「うん。」
ここまでは普通。
でも……
「バイク。」
「ハーレーとメグロな。」
「そう。」
「ボート。」
「……。」
「釣り。」
「……。」
「美容。」
「……。」
「なんで私のところだけ黙るん?🤣」
「いや、なんとなく🤣」
こうやって一つずつ書き出してみると、
思っていた以上に、
「生活に必要なお金」と「人生を楽しむためのお金」
が混ざっている。
食費や光熱費みたいに、
どうしても必要なもの。
一方で、
旅行やバイク、ボート、釣り。
そして私の美容。
これは、
「なくても生活できる」
と言えば、できる。
でも……
なくしたくない。
「なぁ。」
私は夫に言った。
「FIREしたら、こういうの全部削るん?」
「いや。」
「なんで?」
「それやったら、何のためにFIREするん?」
……確かに。
仕事を辞めるために、
今から好きなものを全部我慢する。
そして53歳になったら、
お金はあるけど何もできない。
それでは、私たちが目指しているFIREとは違う。
でも、現実は甘くない。
FIREしたら、
給料はなくなる。
今まで毎月入ってきていたお金が、
なくなる。
だからこそ、
「好きなものを残したい」
だけではダメ。
それを何年続けられるのか。
そこまで考えないといけない。
「じゃあ、どうする?」
私が聞いた。
夫は少し考えて、
「必要なものと、楽しむためのものを分けてみよ。」
と言った。
なるほど。
今まで私は、
「毎月40万円」
という大きな数字だけを見ていた。
でも、
その中身を分けてみれば、
FIRE後に減らせるものもあるかもしれない。
逆に、
絶対に残したいものもある。
そして、
「これはちょっと減らしてもいいかな」
と思えるものもあるかもしれない。
全部か、全部やめるか。
じゃない。
その間に、
ちょうどいいところがあるのかもしれない。
夫がスマホに項目を並べていく。
家。
食費。
旅行。
車。
ハーレー。
メグロ。
ボート。
釣り。
美容。
その他いろいろ。
「……結構あるな。」
夫が言った。
「せやろ🤣」
「これ、全部年間で出したら……」
夫の指が止まった。
「ん?」
「結構な金額になるで。」
「……。」
私も少し不安になってきた。
5,000万円でFIREする。
最初は、そんなに難しくないと思っていた。
でも、
生活費を考えて。
年金を考えて。
投資を考えて。
そして、
自分たちが残したい生活を考えてみると……
どうやら、
「5,000万円」という数字だけでは判断できない。
そんな気がしてきた。
「なぁ。」
私は夫に聞いた。
「次は、これ全部、年間でいくらかかってるか出してみよ。」
「せやな。」
夫も頷いた。
「そしたら、FIRE後に本当に必要な金額が見えてくる。」
いよいよ、
我が家のお金の中身を、数字にしてみることになった。
ちょっと怖い。
でも……
知りたい。
次回
第19話|えっ……年間、こんなに使ってるん?
今まで「毎月40万円くらい」と思っていた我が家の生活費。
でも、
家のお金。
食費。
旅行。
車。
ハーレー。
メグロ。
ボート。
釣り。
美容。
全部を年間で計算してみたら……
「……え?」
「これ、ほんま?」
夫婦で電卓を見つめることになった。
次回、我が家の年間支出を初めてちゃんと計算してみます。

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